CB500RS-Z車体は完成しました。

しかし、このまま公道を走ると不正改造車となります。おまけに無保険です。

ちゃんとしたオトナとしてはこの問題をキッチリとクリアしておくことにします。

エンジン排気量が250㏄以上になるので軽2輪車ではなく、小型2輪車として登録します。




軽2輪車を小型2輪車として登録するには「大きな壁」が立ちはだかります。

車検です。
ご存知のように250㏄以上の小型2輪車には検査があります。


小型2輪車の「車検証」には「初度登録年月」という項目があります。
しかし、軽2輪の「届け出済み証」には「初度登録年月」の項目はありません。
ですから軽2輪車は公的には製造年月が不明なのです。
検査を受けるにはこの車両の製造年月が1982年であることを特定する必要があるのです。

車両の製造年が1982年に拘るのは排ガス規制の問題があるからです。
2ストやビッグシングルが市場から消えたのは、この排ガス規制がクリアできないから。

現在の保安基準で新規製作車として登録するということであれば2016年製造ということでもいいのですが、そのためには現在の保安基準を満たす試験を受けたり、排ガスの浄化などに莫大な金額と時間がかかるということです。
ですから、このCB250RS-Zが製造された、何の規制もなかった1982年の製造車ということで登録しなければ排ガス規制をクリアできないので、その製造年月が1982年だという事実を証明しなければならないのです。

製造年月を証明する方法として一番確実なのは車両製造メーカーから「製造証明証」を発行してもらうことですが、現状はどこのメーカーも「製造証明書」を発行していません。
5年くらい前まではメーカーに依頼すれば普通に「製造証明書」が発行されていたようですが、なぜか?今はどうしても発行してくれません。
唯一の例外は逆輸入車で通関証明のあるものに限り、製造当時の年式で登録できるよう「製造証明書」を発行しているようです。

そのような事情で、ヤマハRZ250のエンジンを350に換装して小型2輪登録するということも今ではできなくなってしまいました。



「製造証明書」が発行されないということは昔の軽2輪は小型2輪として絶対に登録することは不可能と思われましたが、打開策がありました。

きっかけは、ダメモトでネットからホンダお客様センターに「製造証明書」の発行を依頼したことでした。
メールで返ってきた答えは予想通り、以下の文書が返信されました。

以下原文-------------------------------------------------------------------
陸運局に提出する、製造年月を証明するための証明書等の発行は行っておりません。
弊社として発行している証明書は、完成検査終了証となりますが、製造時に既に
発行済みであり、再発行しておりません。
なにとぞ、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

なお、車台番号:MC02-10*****につきましては、1982年3月に弊社製造のお車として、
確認がとれております。
ここまで--------------------------------------------------------------------


まあ、予想された回答だったが、最後の一文が憎いところですね。

製造年月の証明はしないけれど、「製造したことは認めている」ということのようです。



「製造したことは認めている」ということは、「製造年月の証明」と同じ効力があるという理解で、この返信メールを印刷して車検場に持ってき、問い合わせたところ、「内部で検討する」という回答でした。

そして翌日、車検場から電話があり、「当方としては、メーカーの印が押された正式文書でなければ受けることはできない」ということでした。


万事休す、と思われましたが、またダメモトでホンダお客様センターに電話して「返信メールと同じ内容のものを印鑑を押して文書で発行してください」と伝えました。電話で詳細を聴かれ事情を話したところ、
それでは「文書で請求していただければ、製造確認の文書を発行します」ということだったので、さっそく文書で請求し、ホンダお客様センターから「製造確認」のメーカーとしての印鑑付きの正式な文書が発行されました。

20170108001CB250RS.jpg



この文書をもって車検場に交渉に行ったところ「1982年車として登録できる」という回答を貰いましたので登録作業に入ることができました。
車検場側としては「製造証明書」という書式に拘らなくても、車両製造メーカーとしての正式な文書で製造年月が特定できればいいということのようです。
ホンダお客様センターの返信メールにあるように「完成検査終了証」が販売店などに残っていればそれでもいいということでしょうね。

この点については、各車検場で見解の違いがあると思われますのでRZ250等で車検を受ける方はそれぞれの車検場に確認が必要です。



実際の改造申請

エンジン換装の改造は車検場に改造の申請書類を提出して予め審査を受けなければなりません。
多摩車検場で書類を審査してもらったところ、エンジンの換装は車検場で審査できるが、ブレーキのドラムからディスクへの改造は品川の「独立行政法人 自動車技術総合機構 関東検査部」でなければ審査できないとのこと。
私のCB250RS-Zはリヤブレーキをドラムからディスクブレーキに変更しているのでエンジンと同様に改造申請し、許可を受けなければ検査には通らないので、エンジンと同時に改造の申請をしました。

関東検査部でエンジンとブレーキを一緒に審査できるとのことだったので、改造申請は関東検査部へ提出しました。



提出書類は

・改造自動車届出書の様式1号と2号
・改造内容の詳細
・4面図
・エンジン搭載の写真
・諸元表(CB250RS-Z、FT500、VTR250)
・RKチェーン適合表
・チェーン実装写真
・XAMスプロケット適合表
・VTR250リヤブレーキ関連のパーツリスト
・リヤブレーキの写真

これらを提出して約2週間で改造の許可証が発行されました。
あとはこの書類を持って検査を受けるだけです。

20170108002CB250RS.jpg


エンジンの排気量を拡大して改造申請するのでいろいろ調べたところ、ネット上にはエンジンマウントの強度計算が必要などといういろいろな噂がありました。
フレームを改造しているので、改造した部分の強度を検討するのは当然だと思います。
エンジンマウントの強度計算なんて普通の人ができるものではありませんので大変だと考えていましたが、実際に問題になるのは「動力伝達装置の強度」だけで、エンジンマウントやその他のフレームの改造した部分の強度計算などは必要ありませんでした。

要するに、大きなエンジンに換装した場合は動力伝達装置である「チェーン」とその動力を受ける前後「スプロケット」の強度が換装したエンジンのパワーに耐えられるか?ということだけが問われているのです。

チェーンとスプロケットの強度計算も普通はできませんが、これはネット上にも事例があり、チェーンメーカーとスプロケットメーカーの適合リストで代用することができます。
チェーンとスプロケットの製造メーカーで既に強度は確認されているということです。


リヤのディスクブレーキに関しては、既存の車種に使われているパーツは製造メーカーで強度や制動能力が証明されているので、それらを流用した場合はパーツリストのコピーと実装写真を提出するだけでOKでした。
ただし、流用する車体より「改造車の車体重量が軽い」ということが必要条件だそうです(関東検査部に確認済み)。
改造車のほうが重いと、強度と制動能力が不足しているとみなされるということですね。


次に問題になるかと心配していたリヤサスのモノサス化ですが、ネットで検索してもモノサス化で改造の申請をしている事例は全くヒットしません。中にはモノサス化は改造に当たらないという記事もあります。
諸元表の懸架方式を見ると後輪の形式は「スイングアーム式」とだけ記載があり、サスペンションの数は何も書かれていません。

サスペンションは1本でも2本でも関係ないようです。事実、今回は何も問題にされませんでした。
ということはフロントは「テレスコピック式」となっているのでフォークは正立でも倒立でも車検には関係ないということのようですね。


検査に向けてのその他の変更はウインカーをホンダ純正品に交換しました。
以前から使用しているLEDウインカーでは面積が小さ過ぎて保安基準には適合しないと思われます。


これで検査の準備ができましたのでネットで予約の上、検査を受けました。

まず、軽2輪のほうは廃車にしてユーザー車検窓口に書類一式を提出します。

最初に通常通り2輪ラインに入り一般的な検査を受けます。もちろん1回で問題なくクリア。

その後0番ラインに入るよう指示され、0番ラインで写真を撮ったり、重量を測ったり、寸法を測ったりして無事に検査終了です。
検査ラインで車検証に相当するものを作成していたので少し時間がかかりましたが総合判定で印をもらい、自賠責に加入して窓口に書類を提出し、車検証とシールが発行され、ナンバーを購入して無事に一度で全て終了です。


新規登録で3年の有効期間です。
メーターの距離の記載もありませんので、新車と同じ扱いになるようです。

20170108003CB250RS.jpg


形式は「MC02改」となっています。
最大の問題だった初度登録年月は平成28年11月になっていますが、備考の一番下に
初度検査:昭和57年3月
の表記があり、これが製造年月を特定することになっています。


こうして世界に1台しかないCB500RS-Zに乗ることができるようになりました。

20170108004CB250RS.jpg

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