エンジンを降ろし、ヘッドカバーを開けて、ヘッドを外す。


シリンダーを外すと問題のピストンが出てきた。

当初、ピストンリングが折れているのではないかと想像していたが、状況はもっとひどかった。

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ピストンの棚が2段とも崩れている。


ピストンピンがなかなか抜けなかったが、スモールエンドは細かな傷はあるがなんとか無事のようだ。

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こんなひどい状況だとまともに動くわけないよね。
おそらく、ヘッドからひどい異音が出ているまま乗っていて、ついにはオイルを噴出してエンジンブローで止まったのだろう。

Yオク出品時の説明では、エンジンを降ろすまで普通に動いていたとか?

普通に動くわけないだろう!

こんな状態のジャンクエンジンを売った奴は詐欺だ。




シリンダーには多少傷はあるが、何とか使用できそう。
中古だが、程度のいいノーマルピストンを使用して組みなおす。


完成。
エンジンは一発始動で異音もなく調子いい。

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エンジン交換で公認の手続きに入ります。
エンジン積み替え終了。
エキパイもマフラーもFT500用。キャブはFCR39。

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セルを回す。

始動しない。

いくらセルを回しても爆発の気配もない。


エンジン始動の条件は3つ。
火、ガス、圧縮。

・プラグに火花は飛んでいる。
・燃焼室にガソリンがある。

当初、Yオク出品者の説明によると、エンジンを下ろすまでは普通に動いていたということだったので、それを信用してヘッド以外はノーチェックだったが、どうもこのエンジンはロッカーアームやカムのところから、Yオク出品者の説明は非常に怪しい。

エンジン始動の条件の二つはクリアしているので、残りの条件である「圧縮」が足りないのではないかという疑いが出てきた。

ひとつは、クランキング時にマフラーからの排気が少ないのと、もうひとつはブローバイガスに不完全燃焼の色の付いた生ガスが出てくること。

そもそも圧縮が足りないうえに、たとえ生ガスに点火してもピストン下に吹き抜けていればブローバイガスに不完全燃焼の生ガスが混ざるはず。


ということで、もう一度エンジンを下ろしてピストンのチェックをすることになった。
ヘッドは組みあがったのでセルの様子を確認しておきましょう。

ピニオンギヤ

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そこそこすり減っているが、まあ、こんなものでしょう。


空回り対策の厚めのワッシャーが入っている。

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セルに直接バッテリーの電源をつないでクランキングは確認済み。
FT400オーナー様が米国より取り寄せたFT500エンジンのヘッドカバー。

ロッカーアームスリッパー面がかなり荒れている。
細かく削ったようにガタガタと段がついている。

傷はそんなに深くなく、形状も崩れていないので研磨すればで再使用できそう。

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研磨後

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まったく問題のないレベルまで仕上がった。

もちろんロッカーアームシャフトのOリングも交換してオイル漏れ対策も万全。
FT仲間が大型免許を取得して、FT400をFT500にするということでYオクでFT500エンジンを購入。

CB250RSに搭載していたエンジンということだったが、写真では頭の上が写っていなかったので、まさか、と思っていたら案の定。

ハンガー部分がバッサリと切り取られている。

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CB250RSにFT500エンジンを載せる場合、エンジンハンガー部分がフレームと干渉して載せられないからだ。
そこで、ハンガーをカットするかフレームをカットするかのどちらかとなるのだ。
このタイプのフレームはエンジンハンガーを含めて全体の剛性を保っているので、エンジンハンガーがないとフレームがよじれて危険なのでエンジンハンガーをカットするのはやめましょう。

カムのところのヘッドカバーのネジもだめで、オイル漏れもひどかったようだ。

FT400オーナー様はさっそく米国よりFT500のヘッドカバーを取り寄せていました。


ヘッドカバーを交換するついでにヘッドのオーバーホールをすることになったのでさっそく開けてみます。

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カムとロッカーアームがかなり逝ってる。
左側の山は排気側だが、山の立ち上がりの部分が凹んでいるのがわかるだろうか?
この山と組み合わさるロッカーアームの右側はスリッパー面の根元付近がかなり削れている。
普通はこの部分はカムとは当たらないはずだがどうしてこんな状態になったのだろう?

このままではまともに使えないのは一目瞭然。

Yオクの出品時の説明によると、エンジンを下ろすまでは調子よく動いていたとか?

ロッカーアームがここまでひどく削れているとヘッドからはひどい音がしていたはず。

調子がいいわけがない!確信犯です。

まあ、まともな調子のいいエンジンであればわざわざ降ろして売るはずもないでしょうね。


エンジンの内部の仕様は、FT400のピストンでハイコンプ化。
強化バルブスプリングに軽量リテーナー。
ポート研磨と一通りのチューニングが施されているようだ。
カムはノーマルのようだが詳細は不明(もっとも、使い物にならないが)。

しかし、インテーク側のバルブシートの虫食いがひどく圧縮漏れは確実なので予備のヘッドを使うことにする。

セルや腰下に問題がなければいいのだが。

今度の週末にでも積み換えの予定。
FCRを取り付けたときに一緒に付けたラムエアのエアフィルター。

みんなそうだと思いますが、何年かするとボロボロと表面から崩壊してきます。

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このままでは内部も崩壊し、エンジンに吸引されてしまうので交換です。

ホームセンターで適当なフィルター用のスポンジを見つけて、円形に切り、ファンネルに被せてタイラップで固定すれば完成です。
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かなり目が粗いスポンジなで今回はドライで様子見。
もう少し目の細かいもののほうがキャブやエンジンにはいいのでしょうが、値段も安いので使い捨て感覚で交換できますので、次回は目の細かいものに交換予定。
さっそく載せ換え。

パッと見はなにも変わらないが、ヘッドのデコンプレバーとキックシャフトが付いているのが違うところ。

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しかし、このままではキックは付けられない。
ステップとブレーキレバーがキックアームと干渉して付けられないのだ。

ブレーキをノーマル状態に戻して小加工し、ステップも作り変えが必要だ。

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さらに、手動デコンプは絶対に必要なようで、ためしにステップを外してキックしてみたが、ビクともしなかった。

セルで普通に始動できるのでこのあたりはいづれの作業となる。


エンジンのほうは異音なくスムーズに回っている。

ロッカーアームをしっかり磨いたせいだろうか、エンジン内の各部のクリアランスもしっかりしているので静かないいエンジンです。

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2011.12.04 完成
XL500Sのジャンクエンジンのシリンダー。

距離は走っているようだが、大きな傷もなく程度は良好。

外観は汚れや腐食で汚かったのでサンドブラスト処理後、つや消しブラックで塗装します。

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普通の缶スプレーのつや消しブラックで熱的にも問題なく使えます。


ピストンはノーマルサイズの高圧縮タイプを使います。
アメリカホンダからデザートキットとして販売されていたもので、バルブリセスが切ってある。

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ノーマルのピストンはシリンダー上面と面一だが、このピストンはシリンダーヘッドの中に入り込んでくる、
その分のバルブの逃げがあるということです。

これで圧縮比は9.5くらいでしょうか?
これくらいならレギュラーガソリンでいけそうです。

完成
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