前回まででACレギュレーターでの普通のHIDの点燈は不可能とわかった。

やはりHIDの電源はバッテリーから直接取るしかないようだ。

しかし、XL500RのDC系は単相発電で、そのままの回路でHIDを点燈すると充電電力不足で1時間ほどでバッテリーあがりとなることは見えている。

そこで考えたのが、バッテリー直結のHID点燈時に、DC系とは別にライト系の単相発電機からも電力を供給するというしくみ。
HIDのスイッチONのときだけライト系の単相発電から別のレギュレートレクチファイアーを使いDC系に接続して不足する電力を補う。HIDがONの時しか充電電力が増えないので、バッテリーの過充電の問題もないだろう。


使用するレギュレートレクチファイアーはノーマルと同じもの。
この仕様で、ACジェネレーターを改造したDC系が2系統あることになる。
現代のバイクの3相交流発電の2相分という感じか?

バハライトの右側にHIDバーナーを取り付けて、バラストはライトフレームに固定。

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新たにHID用の配線とスイッチを追加。
レギュレートレクチファイアーはトップブリッジに仮で固定。

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HIDのトラブルを考えてライト系の電力は元のACレギュレーターと新たに追加したレギュレートレクチファイアーを手動で切り替えられるようにした。
バッテリーに負担をかければ同時点燈も可能。



エンジンを始動してACジェネレーターからの供給電力をレギュレートレクチファイアーに切り替えてHID点燈。

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成功!

現状のバッテリーはほとんど死んでいて、以前の実験では1分ほどでHIDが消えてしまう状態だったが、アイドリングでも消えることなく点燈している。

暗くなってから走ってみたが、やはり明るくて快適だ。
ヘッドライトの現状は把握できたので、次のステップとしてライトの発電量を増やしてみよう。

といってもACジェネレーターのコイルを巻きかえるところまではしないので、ACジェネレーターの改造とACレギュレーターの交換で全波整流にして、今まで捨てていた半分の電力を有効に使おうというわけです。

XL500R(XL250Rも同じ)に使用しているACレギュレーターは2本線のタイプでACジェネレーターのライト系出力を半波整流のうえ12Vとしているので効率が悪い。
このACレギュレーターを全波整流タイプに交換する。
全波整流用ACレギュレーターは入力に2本、出力に2本の4本線タイプだ。

左はXL500R用、右は全波整流用TLM200のもの
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これに合わせてACジェネレーターのライト系コイルのアースを切り離してケーブルを接続して引き出して全波整流レギュレーター用に改造する。

エンジンから取り外したACジェネレーターは配線が樹脂で固められているのでどこにどの線が繋がっているのかわからないが、ターゲットはアースに接続されているので線は本体に繋がっているはず。

上の取り付け穴の右の膨らみの中が怪しいので樹脂を削って半田を溶かし線を外して動通をチェック。
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左側のエナメル線がライト用コイルだ。

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右の黒線は点火系だったので元どおりアースに接続してエポキシ系接着剤で固め、
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エナメル線には白線を接続してグロメットから引き出す。
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こちらも同じようにエポキシ系接着剤で固めて完成。

車体側のハーネスに合わせてカップラーも処理。
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最後にACレギュレーターを元どおり組み込んで終了。

ACジェネレーターは一回り大きいが、元の場所にちょうどよく収まった。

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この状態でHIDを点燈してみたが結果は変わらず、点滅状態。
電気に詳しい人であれば最初からわかっていたかもしれないが、やはりACレギュレーターだけではHIDを安定して点燈するだけの直流は無理のようだ。
HIDを使うにはバッテリーから電源を取り、不足する電力の供給を工夫しなければならないようだ。

ちなみに普通のハロゲンは少しだけ明るくなったかな?
一度HIDヘッドライトの明るさに慣れてしまうと普通のハロゲン球では暗くて周りが良く見えない。

XL500Rは一昔前の電装なのでヘッドライトの電力をACジェネレーターから直接採っていて特に暗い。
6VのXL-Sシリーズよりはかなりましだが、それでも現代のバイクと比べると暗い。

そこで、ヘッドライトをHID化しようというわけだが、原付のような電装のため問題と思われる。


XL500Rはこの時代のホンダのオフ車では一般的な電装だったようだが、ACジェネレーターで発電した電力は点火、充電、ヘッドライトと3系統に分かれている。
点火系は別として、充電とヘッドライトは同じ直流となっているので、なぜ別回路にしているのか良くわからない。
しかも、それぞれ単相で発電力も少ない。

電装系を見直して、3相のジェネレーターと交換すれば簡単なのだが、部品の入手の問題もあるので、現状のままHID化にトライしてみることにしよう。


まずはHIDキット。
オークションでかなり安く買えるようになったので、1円で落札。
車のカテゴリーでの出品物で、リレーレスのバッテリーから直接電源を取らなくてもいいタイプで、現状のバルブへの接続を切り替えるだけという簡単なもの。

商品代金は1円だが送料が3000円くらいで香港から国際便で送られてきた。
車用ということで2セット入っているので単価は1500円。
テストではちゃんと点燈。


問題はライト系の発電の仕組みで、エンジン回転数によって電圧、電流が変動すること。
HIDは安定した直流が必要だ。
バハライトで35W×2の常時点燈でも問題ないので電力的には問題ないはず。

とりあえず、バルブの接続をHIDに切り替えてエンジンを始動してスイッチON。

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点燈はするが点滅状態。エンジン回転を上げてもダメ。

ACジェネレーターからの交流はACレギュレーターによって直流12Vになっているのだが、XL500Rは半波整流で平滑回路もないため直流といってもかなりの波があるのでエンジン回転に合わせて点滅してしまうようだ。

対策として電解コンデンサーを並列に接続してみたが、電圧が上がらず点燈しない。



ある程度予想はしていたが、結論としては無改造でそのままHID化することはできない。

XL500Rはバッテリーを積んでいるのでバッテリーから電力を供給することもできるが、バッテリー容量が3AHしかなく充電能力も低いので、35WのHIDでは1時間ほどでバッテリーが上がってしまう計算でこれもダメでしょう。
今付いているバッテリーはほとんど死んでいるが、試しにバッテリーに直接接続してエンジン始動しても1分もしないで消えてしまうので充電量より消費電力のほうがはるかに大きい。


次は全波整流にしてもっときれいな直流に挑戦です。
手前がFT400で奥がFT500。

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全く同じものです。

去年の末にFT500エンジンに積み替えたFT400オーナー様は改造申請がめんどうだとかで、FT500のフレームを手に入れたようです。

これで改造なし、正真正銘のFT500になりました。